志望企業にメールを返信するのは緊張しますよね。ですが、緊張して頑張って書いたメールでも、知らないうちに減点されてしまう場合もあります。
特に、「ビジネスメール」をする機会の少ない社会人や、学生は注意が必要です。せっかく書類や面接が高評価でも、メールで減点されてしまったらもったいないです。この記事ではメールでの減点を防ぎ、逆に加点も狙えるように完全解説していきます。
- 企業へのメール返信で大事なのは「返信の早さ」「簡潔さ」「分かりやすい配慮」の3点
- メール本文は宛先→挨拶→名乗り→用件→本文→締め→署名で構成する
- シチュエーション別のメール例文を参考に、洗練されたメールを送ろう
企業へのメール返信がバッチリだと更に良い評価をいただけるので、選考だけでなく入社後にも有利になります。
メールアドレスの準備編 転職・就活用に、Gmailで無難なアドレスを取得しよう!
まずは活動用のアドレスを取得しましょう。私のおすすめは無料で取得できるGmailです。
転職・就職活動用とキャリアメール・仕事用のアドレスは分けると便利
キャリアメールや仕事用のメールとは別のアドレスにするとメリットがたくさんあります。
- メールの見落としを防げる。活動用の受信箱だけを集中チェックできる。
- 活動が終了した際はアドレスを削除するだけでOK。
- 適切なメールアドレスを設定することができる。
社会人の方は、仕事用のメールアドレスを使用するのはNGです。転職活動をしているのに、それと関係のない現職のアドレスを使用しているのはシンプルに印象が悪いからです。
私は就職活動中に第一志望の選考通過メールを無視したことがあります。「なんでこんなことが起きるんだ!」と当時は落胆しましたが、今思えばメールの管理不足が原因でした。
メールはGmailがおすすめ
メールアドレスを取得する場合はGmailが圧倒的におすすめです。
- シンプルにメール機能が使いやすい。
- 「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」、「Googleドライブ」に「Googleカレンダー」など、超優良アプリと並行して使える。
- ○○@gmail.comのドメインは有名なので無難
大学で支給されたメールアドレスもOK
大学支給のメールアドレスは就職活動での使用も想定されたものです。就職活動で使用するのは相応しいと言えます。わざわざアカウントを取る必要もないので、手軽に利用することができます。
・アドレス名は無難なものだと悪い印象を与えない
メールアドレスは採用担当の目につきます。メッセージ性を主張しすぎないシンプルなものをおすすめします。名前+誕生日のようなもので構いません。
悪い例のアドレスは私用として使うのは問題ありませんが、転職や就職活動というフォーマルな場では避けるのが無難です。
印象のよいメール対応の心構え3選
意識すると良い心構え3選です。転職・就職活動でも役立ちますが、入社後のビジネスメールとしても重要な心構えですので、この機に慣れてしまいましょう。
なるべく早く返信する。目安は24時間以内。
返信は遅いよりも早い方が良いです。目安は24時間以内。付き合いの浅い関係ですので「この人はちゃんと返信してくれるだろうか…?」と不安に思わせてしまう危険性が高い為です。
簡潔で分かりやすい件名がついている
件名で内容が把握できると、スムーズに本文を読み始めることができます。相手に本文を読む準備をさせることができますので、本文の理解度も上がります。メールタイトル(件名)はコンパクトにまとめるのがビジネスメールにおいても大事です。
悪い例では、面接の何についての内容なのかが分かりにくいです。具体的な内容をバランスよく一言で盛り込みましょう。
本文が「見やすい」「過不足なく、要件が短くまとまっている」
丁寧に書こうとするあまり、文章が冗長になっているメールを見ることがあります。私も多くのビジネスメールに返信しますが、長すぎるメールは読む気になりません。
- 読む相手のことを考えた内容・順番であること
- 改行や段落分けで、読みやすさを心がけること
この2点を意識して構成すると、圧倒的に読みやすいメール返信になります。
- 良い返信の例
-
このたびは次回面接の日程のご連絡ありがとうございます。
ぜひとも次回選考を9/20の13:00にてお願いしたく思っております。
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
- 返信の例
-
このたびは面接の日時についてご連絡をいただき誠にありがとうございます。非常に嬉しく思っており、ぜひとも次の選考にて進ませていただきたいと強く思っております。熟考しました結果、9/20の13:00の面接でお願いしたいと思っております。差し支えなければ日程調整の程よろしくお願いいたします。当日はぜひともよろしくお願いいたします。
内容はほとんど同じですが、文章を最小限にしたり改行を行うなどして読みやすくしています。ビジネスメールの基本である「短く過不足なく情報を伝える」ことができています。
印象の悪いメール返信 5選
逆に印象の悪いメール返信をご紹介します。当てはまっていないかチェックしてみましょう。
返信ペースがまちまち
返信ペースがまちまちだといつ返事があるか、本当に来るのかも分かりません。
15分で返事があるときもあれば、3日返ってこないことがある、というようでは相手も不安になってしまいます。
わざと返信を遅くする必要はありませんが返信期限を守り、出来れば24時間以内に返信できるように心がけましょう。
無駄に長い 言いたいことが理解できない
無駄に長いメールは読む方も苦痛です。丁寧すぎないよう、要点に絞って書くようにしましょう。一番伝えたいことを一言で書き、後から少しだけ肉付けするのがおすすめです。
誤字脱字 言葉遣いがおかしい 敬語の使い方を間違えている
誤字脱字には気を付けましょう。一度音読してみるとミスを減らすことができます。言葉遣いや敬語の使い方の誤用に気が付くのは難しいですが、一度社会人経験のある方に見てもらうのもおすすめです。
身近な社会人としては転職・就職エージェントをおすすめします。企業のこともよく分かっていますので、適切なアドバイスを受けることができます。
メール送信の時間が常識範囲外
メールの送信時間は意外と見られています。採用担当者は少ない情報から私たちを見極めようとしているからです。
午前3時の送信時間を見て、「おお、この人は頑張り屋さんだな」と思う採用担当者もいるかもしれませんが、「生活リズムがおかしくなっているのかな」とも思われかねません。
常識範囲外な時間のメール返信は避けるのが無難です。目安としては、受ける企業の営業時間内がおすすめです。採用担当者も仕事をしている時間なので、すぐに見てもらえる可能性も高くなります。
添付ファイルがパソコンで作成されたものでなく、スキャンデータ
書類を添付ファイルとして送信する場合は、出来るだけパソコンで作成されたものを送るようにしましょう。
- 紙の履歴書を写真に撮った画像ファイル
- スキャンしたエントリーシート
これらは避けるようにしましょう。文書はワードやエクセルファイルで送ったり、PDFファイルで送ることが好ましいです。写真やスキャンデータだと文書としては劣化してしまいますので、マイナスの印象を与えてしまいます。
ビジネスメールのルール5選
印象の悪い返信をご紹介しましたが、「そもそもビジネスメールが全く分からないんだよ!」という方もいらっしゃると思います。そこで、簡単に意識して使える「ビジネスメールのルール」を5つご紹介します。
簡易な表現で、「ですます調」を使う。
語尾はシンプルにですます調を使いましょう。無駄に丁寧である必要はありません。丁寧にしようとするあまり、逆に間違った言葉遣いをしていたり、冗長な表現をしている場合も見かけます。
本文を残して返信する Re:は消さない
Gmailなどのメーラーを使用すると、返信ボタンを押したときにこんな疑問を持ったことがあると思います。
- 前のやり取りの本文が残っているけど消した方がいい?
- 件名のRe:は消した方がいい?
正解はどちらも残すのが正解です。前の本分が残っていることで、以前のメールを探してこなくてもやり取りを見返すことができます。メールの文面を印刷することもありますので、残っていると非常に分かりやすいです。
また、件名のRe:は「ああ、この件についての返信なんだな」と一瞬で分かりますので、やはり残した方が分かりやすいです。
相手や相手の会社、相手の所有物、相手の考えや行動には尊敬語を用いる
尊敬語を適切に使えていないシーンは意外と多いです。
- メールの相手
- 相手の会社
- 相手の所有物
- 相手の考えや行動
これらには意識して尊敬語を用いてください。
「素晴らしいと考えました」とすると、「何を上から評価しているんだ」と思う方もいらっしゃるみたい。尊敬語って難しいですね…。
自分の行動には謙譲語を用いる
先程とは逆で、自らの行動には謙譲語を適切に利用しましょう。尊敬語と同じく、おろそかになっているケースも多く見かけます。
宛先・件名・本文の3か所を適切に使い分ける
宛先と件名・本文の役割をしっかり理解した上で返信しましょう。
- 宛先 メールアドレスを設定する
- 件名 一言で内容を伝える
- 本文 簡潔かつ過不足なく内容を伝える
大事な部分なので、次でもっと詳しく解説します。今後必ず役に立つ内容なので、ぜひ抑えましょう。
宛先・件名・本文の適切な使い分け方
この3つを適切に使い分けることで、「できるビジネスパーソン感」がにじみでます!
宛先は必ず何度もチェックする
送信先は誤送信がないか必ずチェックする癖を付けましょう。ミスすると大事件になることも…。
私も何度も宛先では大失敗をしています。送るつもりのない相手に送ってしまったり、メールアドレスを間違えて期日に間に合わなかったり…。
転職・就職活動ではひとつのミスが命取りになります。いつもより1回多く確認しましょう。
TO・CC・BCCを使い分ける
TO、CC、BCCは理解してしまえば簡単です。
TO:対応して欲しい相手を入れる。
CC:参考までに知らせたい相手を入れる。
BCC:みんなに内緒でこっそり知らせたい相手を入れる。
これくらいの理解でもOKです。転職・就職活動では基本的にはTOとCCを使っておけばOKの場合が多いです。
返信する場合は「全員に返信」ボタンを押せば、前のメールでTOやCCに設定された相手にそのまま返信できますので便利です。
件名は洗練させる!一目で内容が分かる簡潔さを重視
件名は丁寧さよりも簡潔さを重視するのがポイントです。
右の文章の方が丁寧ですが、いつの面接のことなのかピンときません。相手の設定によっては全文が表示されない場合もあります。
10/3の面接のお礼、と聞けば「ああ、あのことね」とすぐにピンときます。
本文の構成のテンプレートを公開!入れ替えて使用可能
ビジネスメールが全く想像できない方はテンプレートをご用意したので、自分に当てはめて使ってみましょう!
宛先→挨拶→名乗り→用件→本文→締め→署名の順番で書く
どのメールでも基本的にはこの順番で書いておけばOKです。ひとつひとつが長くなりすぎないようにだけ気を付けてください。2往復目くらいからは採用担当者も私たちのことを認識していますので、もっと削ってもOKです。
「名乗り」と「締め」などは省略しても大丈夫ですので、宛先→挨拶→用件→本文→署名とすればもっとビジネスメールっぽくなります。
【就活生向け!】大学生が使えるビジネスメールの実例
【宛先】
○○株式会社
○○課長
【挨拶】
いつもお世話になっております。
(決まり文句なので、初めてでもこれでOK)
【名乗り】
◇◇大学△△学部の悠木 太郎です。
【用件】
次回の2次面接の日程についてご連絡いたしました。
(件名の内容と一致する内容でOK)
【本文】
ご提示いただきました〇月〇日△時にお伺いさせていただきます。
【締め】
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
(簡潔に一言でOK)
【署名】
────────────────────────
◇◇大学△△学部
悠木 太郎
〒000-0000 東京都○○区1-2-3
TEL: 070ー0000ー0000
Email: yuuki-0921@gmail~
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非常にさっぱりした印象のメールになりました。
改行を適度に使うことで、読みやすくなっています。
【転職者向け!】社会人が使えるビジネスメールの実例
【宛先】
○○株式会社
○○課長
【挨拶】
いつもお世話になっております。
(決まり文句なので、初めてでもこれでOK)
【名乗り】
悠木 太郎です。
(今の会社名は名乗らなくてOK)
【用件】
次回の2次面接の日程についてご連絡いたしました。
(件名の内容と一致する内容でOK)
【本文】
ご提示いただきました〇月〇日△時にお伺いさせていただきます。
【締め】
当日はどうぞよろしくお願いいたします。
(簡潔に一言でOK)
【署名】
────────────────────────
悠木 太郎
(署名にも今の会社名は入れない)
〒000-0000 東京都○○区1-2-3
TEL: 070ー0000ー0000
Email: yuuki-0921@gmail~
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転職者の場合、現職の会社名を名乗る必要はありません。
個人としてメールすることを意識しましょう。
企業へのメール返信は難しくない!簡潔に書くことを意識すれば評価もアップ!
ビジネスメールをしたことがないと、企業へのメール返信は難しいと思いがちですが、慣れればサクッと書けて楽なのもビジネスメールです。
難しく書かず、要点に絞って最低限のことを書く意識を忘れなければ、あなたも立派なビジネスメール名人です。
ビジネスメールのスキルは入社する企業でも必ず役立ちますので、この機会に身に着けておくと今後も有利に仕事することができますので、頑張ってみてくださいね!