自己 PR や志望動機を「 200字以内で書きなさい」と言われて困ったことがありますよね。 良い文章を書こうとするとどうしても長くなってしまうこともあると思います。

この記事は書類選考の添削を数多く行っている私が、実際に使っている文章圧縮の極意をまとめたものです。
この極意を使って添削すると
というようなありがたい反響をいただきます。
この極意を学ぶことができれば、あなたもお手軽に短く伝わりやすい自己 PR や志望動機を書くことができます。 200字以内にまとめることも得意になれるはずです。
そもそも「200字以内で」などの文字数制限はどれくらい書けばいい?


200字以内で書けと言われても、実際にどれくらいにまとめればいいか迷いますよね。一般的には8割にあたる160文字程度以上であれば良いとされることが多いですが、私は違う意見を持っています。
200字以内の制限には200字書いてください その意図とは?
200文字の制限に対して160文字で書くということは、みすみす40文字の情報を伝えるチャンスを捨てるということです。
これが40文字くらいです。つまり、160文字の文章に更に一文プラスすることができるチャンスを捨てていることになります。この一文が入るだけで、自己PRや志望動機に厚みが出ますので、出来るだけ「200文字ぎりぎりまで書くんだ!」という気持ちを持ってください。
文字数制限をオーバーするぐらいの分量を書けない方は情報不足
文字数制限をオーバーできなければ文章圧縮の極意を使うことはできません。 オーバーしない場合は、そもそも文章の内容が薄い可能性が高いです。 情報が不足していると十分な魅力を伝えきれませんので、 根本的な解決が必要です。
自己PRや志望動機の書き方はここでおさらい
オーバーする目安は50~100文字オーバーくらいを目標に
オーバーする目標をだいたい決めたいという方向けに目安をご紹介すると、50文字から100文字ぐらいがベストです。 もちろんそれより多くても圧縮することはできます。 50文字から100文字ぐらいであれば比較的簡単に圧縮することができますので、慣れないうちはまずこのぐらいを目標に書いてみましょう。
文章圧縮のステップ 200字以内にまとめろと言われたらこの順番でまとめよう


「200字以内でまとめなさい」と言われても、いきなり200文字ぴったりの良い文章を書ける可能性は非常に低いです。 まずは文字数をオーバーするくらい書いた上で、後から削って圧縮するというのが基本的な方針です 。
まずは50~100文字オーバーくらいで書いてみます。
オーバーする程書けない人は、9割方内容が薄いので情報を足す。
数十文字削れるような、大きな圧縮をしていきます。この時、「文章を開く」作業も同時に行っておきます。
数文字から十数文字くらいを削るような圧縮を数か所行い、文字数制限に近づけていく。
このとき、「あと数文字くらいなんだけど!」くらいまで圧縮できると理想です。
数文字消すような圧縮を行って、文字数制限にぎりぎり納める。
これが理想的な文章圧縮の流れです。



私もほぼ毎回これと同じ作業をして添削を行っています。
文章圧縮の極意をご紹介 「大きく削る」編


早速、文章圧縮に取り掛かっていきます。まず始めにすべきことは大きく削ることです。この項目を使うことで、大幅な文字数オーバーを一気に削ることが出来ます。
複数の事柄について書いている場合は、ひとつの事柄に絞る
文字数が収まらないケースでよくあるのが、いくつもの事柄について書いてしまっているケースです。 複数の事柄について書くと、文字数が治らないだけではなく、一つの事柄についての情報量が少なくなってしまい、内容が薄く伝わりにくくなってしまいます。 なるべく一点集中する意識を持ちましょう。
大学時代は飲食店のアルバイトをしておりました。 そこでは、お客様のことを思う気持ちの大切さを学ぶことができました。 他にも、アパレルのアルバイトもしており通ってそこでは店舗責任者を任されるまでになり、他のスタッフをうまくまとめる力をつけることもできました。 更に、大学のゼミでは当店ゼミ長を務めていたため、ゼミ生たちのモチベーションを保ちながらうまくまとめるという経験もできました。これらの経験からお客様のことを思う気持ちの大切さや、他のメンバーをうまくまとめる能力を身につけることができました。 (248文字)
少し自慢のようにも見えてしまうかもしれません。その割には具体的な気持ちなどがなく、内容が薄く見えてしまいます。思い切って、飲食店のことだけに絞ってみます。
大学時代は飲食店のアルバイトをしておりました。 当初は何も考えず働いておりましたが、常にお客様との心の距離を感じておりました。お客様のことを本当に考えた接客をすることで心の距離を感じなくなり、より踏み込んだ提案を出来るようになりました。その結果、心からの感謝をしていただける経験を多くしたため、お客様のことを思う気持ちの大切さを学ぶことができました。(175文字)
一気に73文字も圧縮できています。稼いだ文字数で、このエピソードを掘り下げることができてしまいます。
・アルバイトなどの前提の説明に文字数をかけすぎない
前提の説明が長すぎる自己PRを見ます。ひどいときには文字数の半分以上も説明をしていることも…。大事なのは前提の説明ではなく、「その時に何を考えたか」「その時にどう行動したか」「その結果、何が起こったか」です。その部分に文字数を割くためにも、前提部分はサラッと済ませましょう。
私は大学の3年から4年時にかけて、焼き肉店のアルバイトをしておりました。お客様に注文を伺ったり、キッチンスタッフとの連携を円滑にしたり、多岐にわたるオープン作業をする仕事でした。担当する業務の幅が非常に広いので、仕事の量としても質としても非常に負担のかかる仕事でした。(134文字)
焼き肉店のアルバイトの大変さは伝わってきますが、本当に伝えたいのは焼き肉店のことじゃないですよね。その後に続く文章に文字数を割くため、ここは思い切って消します。
〇大学生時代には焼き肉店でホールスタッフをしておりました。(28文字)
あっさりでOKです。面接で話題に上がった際に口頭で補足する程度でOKです。



ここでも100文字以上を削ることができます。この100文字を本当に重要な部分で使いましょう。
・結論に関係ない説明を削る
事実を説明するために、あったことを全て書いてしまうケースも多いです。結論に関係すること以外は、書いてもアピールとしては薄くなってしまいますので、思い切って消してしまいましょう。
私が特に学んだのは統計学と心理学です。特に心理学では社会心理学に興味を持ち、力を入れました。社会心理学は非常に汎用性の高い分野で~~貴社に務めるにあたっても役に立つと感じております。
私が特に学んだのは心理学です。特に社会心理学に興味を持ち、力を入れました。社会心理学は非常に汎用性の高い分野で~~貴社に務めるにあたっても役に立つと感じております。
必要なことだけを書くことで、薄い内容にもなりづらくなるので、もったいない気持ちを捨てて関係ない部分は消してしまいましょう。
「文章圧縮の極意」をご紹介 「細かくポイントを稼ぐ」編


大きく削ることができたら、1文ごとに細かくポイントを稼いでいきましょう。数か所見つけることが出来れば順調に進んでいるサインです。
2回同じことを繰り返している部分を削る
一生懸命書いていると、丁寧に書こうとする気持ちのあまりに2回同じことを繰り返してしまうことがあります。
この経験の中で、友人と仲良くなれるよう取り組みました。友人と仲良くなれるように力を入れた理由は、そうすることでこの集まりを活性化させることが出来ると考えたためです。
この経験の中で、友人と仲良くなれるよう取り組みました。この集まりを活性化させることが出来ると考えたためです。
これでも文章の意味は伝わりますよね。



声に出して読んでいて「読むのがめんどくさいな」と感じた部分は圧縮できるチャンスです。どこを消せばいいか分からなくなったらやってみてください!
2つの文章をひとつに繋げて圧縮する
2つに分かれている文章、繋げることで短くなることがあります。
私の夢は「お客様の立場にたってひとりひとりに合った適切なサービスを提案することで豊かな生活を実現することです。」そう考える理由は幼い頃に父に教わったことに基づいています。
私は幼い頃に父に教わったことで「お客様の立場にたってひとりひとりに合った適切なサービスを提案することで豊かな生活を実現すること」が夢になりました。
このように、文章を統合することで数文字圧縮することが出来ました。



今回のように文章の前後を入れ替えたりすることも有効です。
なくても意味が通じる表現を削る
「削れる表現はないかな?」と探していると、なくても意味の通じる表現はよくあります。
ビジネスの現場で、多種多様な情報を活かして人を笑顔にできるような仕事がしたいと思っております。
多種多様な情報を活かして人を笑顔にできるような仕事がしたいと思っております。
後ろに仕事という単語があるので、ビジネスの現場であることは明白。ここでは消しても全く問題がありません。
最後のダメ押し 数文字ずつ削って最終調整する


ここまでで、「あと数文字なのに!」というところまで来れていたらうまくいっています。あと数文字をなんとかする極意をいくつかご紹介します。
二重表現を見つけて消す
一生懸命書いていると、二重表現をしてしまうこともあります。一度落ち着いて、探せば結構見つかります。
言い訳を消す
ネガティブなことを書く前には言い訳を書きがちです。言い訳の部分があれば、思い切って消してしまいましょう。
注意はしていたものの、ミスを犯してしまいました。
ミスを犯してしまいました。
「」を多用しない
基本的には誰かが話した言葉にだけ使うのがベストです。どうしても強調したい時には使ってもOKですが、なるべく数を減らすように気を付けましょう。
「人を大切にする心」を知りました。
人を大切にする心を知りました。
奥の手として”開いた”文章を”閉じる”ことで文字数を減らす
文章の表現として、”文章を開く””文章を閉じる”という方法があります。文章を開くとは漢字をあえてひらがなで書いて読みやすくすることです。
- 閉じた文章…私は昔、大切な本を失くしてしまいました。それには素晴らしい物語が書かれていました。
- 開いた文章…わたしは昔、大切な本をなくしてしまいました。それにはすばらしい物語が書かれていました。
少し大げさに書きましたが、ひらがなに”ひらく”ことで読みやすくすることができます。文字数オーバーで書いておいた時にあらかじめ文章を”ひらき”、いざという時には閉じることで文字数を稼ぐことができます。
読みやすい文章は漢字とひらがなの割合が3:7だと言われています。プロが書いた文章はこれを目安に読みやすく書かれていますので、私たちもそれを真似して文章を開くことを意識しましょう。その際、文章の中で表現の仕方は統一するようにしましょう。
本来は開いた状態の方が読みやすいのでそのままの方がいいですが、どうしても削るところがない場合には奥の手として使えます。



ここまでしないと削れないような文章は、洗練した文章になっている証拠です。
これで200文字制限も怖くない!文章圧縮の極意は将来に必ず役立つ


ここまで真面目に読まれた方はお疲れさまでした。その努力は絶対に裏切りません。基本的にこの方法で私はたくさんの文章を圧縮してきました。文章を圧縮することで、余った文字数を他に使うことができる。これこそが文章圧縮の最大のメリットです。



次に自己PRや志望動機を書く際には、ぜひこのページを見ながら順番にやってみてください。何回かやれば、もう見ずに圧縮できるようになっているはずです。そうすればあなたも立派な圧縮名人です!